ED(勃起不全)とは
ED(イーディー)とは「勃起機能の低下」を意味する英語で「Erectile Dysfunction」の略です。 日本語では「勃起障害」あるいは「勃起不全」と訳されています。
「勃起障害」あるいは「勃起不全」と聞くと、「勃起ができない状態」と思われがちですが、 専門的には「性交時に十分な勃起が得られない、あるいは十分な勃起が維持できない、 満足な性交が行えない状態」と定義されています。
つまり、勃起が起こらないケースはもちろんですが、勃起に時間がかかったり、勃起しても途中で萎えてしまったり(中折れ)して、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない状態は、 いずれもED(勃起不全)の症状となります。
EDになる原因
EDの原因としましては、大きく二つに分かれており、身体的な病気が原因のもの(器質的障害)と精神的緊張や精神的な病など(心理的障害)があります。
身体的な病気が原因のもの(器質的障害)
器質的障害の代表的な例が「加齢」です。歳は、誰しもとるもので、誰しもがEDになる可能性があるといえます。「加齢」でのEDの原因のひとつに、動脈硬化による血管障害(血液の流れが悪くなる事)があります。 動脈硬化などで、男性生殖器への血流が悪くなると当然EDになる確率も高くなります。
また、年齢だけではなく、糖尿病・高血圧・高脂血症・心神経障害など血液循環に関連する生活習慣病もEDの危険因子となり得ます。上記のように加齢により、EDになる割合は高くなりますが、近年では歳のせいだけではないことがわかっています。
不規則な食事を続けていたり、運動不足、暴飲暴食、喫煙など毎日の生活習慣が原因となって起こることが多いのです。
たとえば、糖尿病になると、血管や神経が障害されるため、血管が硬くなったり、性的刺激による血管の拡張が起こらなかったりして、血流を抑えると考えられています。糖尿病の患者さんが抱く日常生活の悩みとしてEDや性欲低下を挙げる方が多いと言われます。一方、高血圧症では、血圧が高くなると、血管にストレスがかかるため、血管が損傷して硬く狭くなります。これによって、ペニスの血流を抑えてしまうと考えられています。
※普段の生活から生活習慣病の予防に努める事が、EDの予防にも繋がるのです。
精神的な病が原因のもの(心理的障害)
心理的障害は、日常生活でのストレス・社会的不安(現実心因)・本人には意識のない心理的原因(深層心因)が引き金となり起こります。
現実心因の代表的な例としては、過去にパートナーの一言に傷ついたり、上手く性交ができるか不安で過度の緊張状態に陥ったりする事が挙げられます。また、単純に疲れている場合も現実心因になります。
深層心因は幼児期の体験や性的なトラウマが要因となっているケースが多いです。本人の意識がないため原因の特定が難しく、治療自体が困難であったり、治療期間が長期に渡るケースも多いです。
EDの治療について
ED治療の第一歩としては、診察を受け、症状に応じた「ED治療薬」を処方してもらうのが一般的です。診察は触診ではなく問診ですので、見られたり触られたりする心配は必要ありません。 まずは、内服薬を処方して様子を見ることから始めます。
原因にかかわらず、大部分のEDは治療が可能です。高血圧症、糖尿病、喫煙や高コレステロール値などの生活習慣病の関連因子を取り除くことが、治療の第一歩です。
患者様とEDの治療について話し合い、患者様に合わせた治療法を選択します。問診や健康チェックで問題がなければ、心理的障害か器質的障害かにかかわらず診断的治療として、まず経口薬の効果で原因を特定するのが最近の傾向です。近年、いろいろな作用を持つ薬剤が開発中ですが、現在使用できる医療用医薬品による経口治療では、陰茎の血管拡張を起こす化学物質の急速な分解を阻害することにより、身体の信号伝達経路に作用し、勃起を自然に起こすことができます。この薬剤自体は心臓に悪い影響は与えないと考えられています。
※ ニトログリセリンまたは硝酸剤による治療を受けている、または必要としている男性は服用できません。
※心理的障害が原因である場合には、カウンセリングがEDの改善につながることもあります。カウンセリングでは一般的なものと、深層心理に問題のあるものがあり、後者は精神科医または心理学者と話し合います。
費用について
ED治療にかかる費用は、おおよその目安として初診時の診察、一般検査、そして内服薬を処方する場合にどの程度の費用となるのか、あらかじめ問い合わせください。
また再診以降、特に問題がなく頻繁に通院する必要がなければ、薬代以外の費用はあまり発生しない場合もありますので、この点についても、お気軽にご相談ください。